建設業許可の種類は、知事許可と大臣許可の他に、一般建設業許可と特定建設業許可という区分があります。一般建設業許可は特定建設業許可に当たらない場合ですから、ここでは先に特定建設業から説明します。
特定建設業許可とは
特定建設業制度は、主に下請人保護のために設けられており、そのため元請業者に対して特別に様々な義務が課せられるものとなっています。
特定建設業許可か否かの判断
特定建設業に当たるか否かは、元請であるか否かと下請金額が一定額以上であるかという、2つの要素によって判断します。
上記の条件に該当する業者は、一般建設業ではなく特定建設業として許可を受けなければなりません。
つまり、元請業者として施主から直接に工事を請け負う場合に必要となる許可ですから、元請業者でなければその時点で特定建設業許可は不要です。また、下請けに出す金額が一定額以上になる場合に必要となる許可ですから、たとえ元請として施主から直接に請け負った工事の額が100億円だったとしても、自社ですべて工事を行い下請けには出さないのであれば(あるいは法令で定められた一定額以下しか下請けに出さなければ)特定建設業の許可はやはり不要となります。
※ただし、請け負った工事を一括で下請に出すこと(丸投げ)は、特定建設業許可業者であっても法が認めた場合以外は禁止されています。
一般建設業許可とは
一般建設業許可は、特定建設業許可の基準に当てはまらない業者が取得する許可です。名称に「一般」と入っているとおり、通常の建設業者さんは、特定ではなく一般建設業許可が必要となることがほとんどです。
一般建設業許可か否かの判断
この判断は、特定建設業許可の判断の裏返しです。具体的には、たとえば次のような場合が該当します。
工事種別(業種別)ごとに判断する
特定建設業許可か一般建設業許可かという判断は、28に分かれる工事の種別ごとに行ないます。従って、土木工事業を一般で取得して、左官工事業を特定で取得するという許可の取り方も出てきますし、どちらも一般として取得していた二つの許可のうち、一方を途中から特定に変更する(般特新規)という事態も生じえます。