社会保険加入と建設業許可の申請
平成24年11月より、建設業許可を受けるにあたって、社会保険加入状況のわかる書面(「健康保険等の加入状況」)と証明資料の添付を求められるよ うになりました。今後は建設業担当部局が許可申請者の社会保険加入状況を確認して、もしまだ加入していない建設業者であるときは、加入指導を行なう仕組み となります。
社会保険に加入していないと許可は受けられない?
現状、社会保険に加入していない業者は絶対に建設業許可を受けられないという状況ではなく、窓口で指導などを受けた上で申請書が受理され、管轄行政庁からあらためて文書などで加入の指導がなされるという流れが取られるようです。
厚生労働省の強制加入
従って建設業許可自体は受けられる可能性はありますが、行政庁からの指導によっても一定期間内に社会保険加入が行なわれない場合には、厚生労働省の保険担当局へ通報がなされ、結果として強制加入の手段が取られることになります。
強制加入の手続きがとられると、自主的な加入とは異なり、過去2年に遡って保険料が徴収される可能性も出てきます。さらにこのような事態に至っては、厚生労働省だけでなく建設業の管轄行政庁からも、建設業法に基づく処分などがなされる可能性もあります。
今後は社会保険加入が前提となる
社会保険加入の確認制度は、まだ始まったばかりでもあり、実際の処理がどのようになされるのか今後の動向をみなければわからない部分もあります。で すが、前述のように強制加入手続きなどへ繋がっていく可能性が高いことから、今後は「どうしても建設業許可を早急に取得したいが、社会保険加入の手続きは それより少し遅れてしまう」という場合には社会保険未加入での許可申請も行なう意味を持つものの、そうでなければ社会保険加入の状況を整えてからの申請が スムーズになると思われます。
社会保険加入の義務がある営業所は?
法人の営業所(事業所)及び個人事業(個人経営)で常時5人以上労働者を雇用する営業所(事業所)は、社会保険加入の義務があります。
社会保険加入のわかる確認資料とは?
既に社会保険に加入している建設業者が許可を受ける場合には、主に次のような資料を添付して、それを証明することになります。
健康保険及び厚生年金保険の加入を証明する資料
- 各保険の保険料の納入にかかる領収証書
- 各保険の納入証明書
いずれかの写しで証明を求められます。
雇用保険の加入を証明する資料
- 労働保険概算・確定保険料申告書の控えおよびこれにより申告した保険料の納入にかかる領収済通知書
新規の建設業許可申請以外では?
社会保険加入状況の確認は、これから新たに建設業許可を受ける「新規」の場合だけではなく、一定期間ごとに必要な許可の更新、許可換え新規や般特新規、業種追加など、建設業許可に関する行政手続きにおいて全般的に確認がなされるようになります。
社会保険に関する相談・加入
以上の社会保険に関する相談や加入手続きは、事務所の所在地を管轄する年金事務所となります。直用している場合の社会保険加入の要否など、不明な点がある場合には早めに相談しておきましょう。